人材ギャップ(Asis-Tobe)

ユニーク人材が強みを活かせる社会

  • 会社組織以外で経験・能力を手に入れた「ユニーク人材」。
  • 象徴的なアスリートの強みは、企業・地域社会にも活かせる。
  • アスリートの強みを可視化・モデル化して労働市場に還元。
目次

労働市場の課題を解決する「ユニーク人材」

労働市場が抱える主要な課題、すなわち「人手不足の解消」「職業別の人材需給ギャップの是正」「イノベーションを生み出す多様性の促進」を解決に導く一手がある。必ずしも活躍の機会を得られていない「埋もれた人材」を活用するのだ。会社組織とは異なる領域で彼ら、彼女らが経験を積んでいる場合、ビジネスだけでは得難い行動力や影響力といった潜在的なパワーが、労働市場を底上げする可能性を秘めている。

当社ではこれらの人材を「ユニーク人材」と名付けた。ユニーク人材の労働市場への参画により、ダイバーシティの進展や、多様な人材の活躍によるイノベーション促進が期待される。

アスリートの強みを産業界で活かす

ユニーク人材の象徴的な例として、アスリートの存在がある。日本では、競技力養成と職業教育とが分断されていることから、現状を見るかぎり、アスリートが産業界など異なる分野で活躍することが難しい状況にある※1

スポーツで培った能力を埋没させず、アスリートがさまざまな領域で能力を発揮するためには、当社が提唱するFLAPサイクル※2の実践が鍵となる。実はアスリートのコンピテンシー(成果につながる行動特性)は、平均的なビジネスパーソンと同等以上と推定される。これは、スポーツでFLAPサイクルを自律的に回した経験が活きている証拠と考えられる。競技以外のステージでアスリートが強みを発揮できる素地(そじ)は元来あるのだ。

多様な人材が幅広い分野で活躍できる社会を

当社はこの考えに基づき、アスリートが潜在的な能力を企業や地域社会で活かす事業を開始した。活躍の機会を現役時代から引退後まで提供する。すでに現役テニス選手をはじめ多様なアスリートが事業に参画し、各方面で活躍している。

寝具メーカーの西川は、顧客へ良質な睡眠を提案するため、心身のリカバリーに知見のあるアスリート販売員を募集する。自治体もスポーツ指導や地域活性化イベントなどにアスリートを活用したいとの声を上げ始めている。

これらの多様な人材の強みを活かした取り組みは、企業・地域がイノベーションや価値を創造する際のヒントとなる。ただしその認識が浸透しているとはまだまだ言い難い。

当社では、シンクタンクとしての分析力と企業・自治体ネットワークを活用し、アスリートの強みを可視化しモデル化を実施。アスリートと企業・地域双方の理解を深めることを目指している。

同様の可能性をもつ別分野のユニーク人材の活躍も展望している。例えば創作活動に向き合うアーティストはアスリートと同様、FLAPサイクルを回すことに長(た)けている。専業主婦・主夫もまた、家事や育児で日常的にFLAPサイクルを回す。取り組みの輪が広がれば、多様な人材が強みを活かせる労働市場が生まれる。その結果、ユニーク人材が幅広い分野で活躍可能になるだろう。

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