用語の定義
エンゲージメントとは、従業員が自身の仕事や所属組織に対して示す主体的な関与の度合い、ならびに貢献意欲や熱意の総体を指す概念である。単なる満足度や幸福感とは異なり、業務への積極的な取り組み、組織目標への共感、成果創出に向けた自発的行動といった「行動面」に結び付く点に特徴がある。
人事領域においては、エンゲージメントは「高いほど望ましい状態」を示す指標として扱われることが多く、個人の心理状態のみならず、組織文化、マネジメントの質、人事制度、働き方など、複合的な要因の結果として形成されるものと整理される。
注目される背景
エンゲージメントが注目される背景には、人的資本が企業価値の中核を占める経済構造への転換がある。知識労働や創造的業務の比重が高まる中、従業員の主体性や自律性を引き出せない組織は、中長期的な競争力を維持することが難しくなっている。
また、終身雇用や年功序列を前提とした人材マネジメントが揺らぐ中で、企業と個人の関係性は「長期的な所属」から「相互に価値を提供し合う関係」へと変化している。このような環境下では、従業員がどの程度組織に関与し、主体的に価値創出へ向かっているかを把握することが、経営上の重要課題となる。
さらに、人的資本開示の拡大により、エンゲージメントサーベイの結果や改善施策が、投資家や市場から評価されるケースも増えており、エンゲージメントは人事部門内部の管理指標にとどまらず、経営レベルの意思決定を支える指標として位置づけられつつある。
活用のポイント
エンゲージメントを人事施策や経営に活用する際には、単にスコアを測定すること自体を目的化しないことが重要である。エンゲージメントは結果指標であり、その背後にある要因を特定し、改善につなげるプロセスこそが本質である。
第一に、エンゲージメントを単独で扱わず、従業員エクスペリエンス(EX)やマネジメント施策と関連付けて捉えることが重要である。評価制度、1on1ミーティング、働き方、成長機会といった具体的な体験が、どのようにエンゲージメントへ影響しているかを構造的に整理する必要がある。
第二に、組織単位・属性別にデータを分解し、課題を特定する視点が求められる。全社平均のみを見ていては、現場で生じている課題やマネジメント上の問題を把握することは難しい。部門、職種、階層などの切り口で分析し、打ち手を明確にすることが重要である。
第三に、経営層・管理職を巻き込んだ改善プロセスの設計が不可欠である。エンゲージメントは人事部門だけでコントロールできるものではなく、現場マネジメントの質に大きく左右される。そのため、サーベイ結果を共有し、対話と改善につなげる運用設計が求められる。
関連する用語
・従業員エクスペリエンス(EX)
・モチベーション
・心理的安全性
・パフォーマンスマネジメント
・人的資本経営
※本記事は、執筆・編集プロセスの一部において生成AI技術を活用して作成しています。