Q : 人事制度を部分的にカスタマイズする場合、どこを見直すべきでしょうか

人事制度を全面改訂するのではなく、部分的に見直すことで現実的に効果を上げる方法もあります。
ポイントは、「制度間の整合性を保ちながら重点領域を改善する」ことです。

まず、評価制度の刷新は効果的な見直しポイントです。
たとえば、成果主義に偏りすぎた場合は「行動評価」「プロセス評価」を追加し、チームワークや挑戦行動を促進します。
逆に、行動重視型が形骸化している場合は、KPIや成果基準の明確化が有効です。

次に、等級・職能制度の再整理。
職種の多様化や専門人材の増加に合わせて、従来の年功型から「役割・職責ベース」への転換を検討する企業が増えています。
等級ごとの役割定義を再構築し、スキルマトリクスやキャリアマップと連動させることで、社員の納得性が高まります。

また、報酬制度のチューニングも有効です。
固定給・変動給・インセンティブのバランスを調整したり、賞与の配分ロジックを成果・貢献度に連動させたりすることで、モチベーションを引き出します。

さらに、評価後のフィードバック制度を強化するのも効果的です。
上司と部下の1on1ミーティングを制度化し、目標達成だけでなく成長支援を重視することで、制度が単なる査定ツールではなく育成の仕組みに変わります。

最後に、制度運用の見直しも忘れてはなりません。
紙やExcel中心の運用をクラウドシステム化するなど、運用負荷を軽減することも部分改善の一環です。
重要なのは、全体像を崩さずに「課題が顕在化している領域」から着実に修正することです。



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